日本の本を読むための見取り図
何が出ていて、どんな形で売られていて、どこに行けば手に入るのか。棚がただの背表紙の壁に見えているうちは、まずこの一枚から読んでください。この雑誌の全記事への入口も兼ねています。
読書に戻ってくる人の入口は、だいたい三つに分かれます。何から読めばいいのか分からない人、言葉のほうでつまずいている人、そもそも一冊目が決まらない人。どの道からでも机にはたどり着きます。
何が出ていて、どんな形で売られていて、どこに行けば手に入るのか。棚がただの背表紙の壁に見えているうちは、まずこの一枚から読んでください。この雑誌の全記事への入口も兼ねています。
四六判とA5判は何が違うのか、上製本と並製本で何が変わるのか。書店と古書店で毎日使われているのに、どこにも説明が書かれていない言葉をまとめました。
短くて、終わっていて、途中でやめても構わない本から始めるのが確実です。読書が続く人がやっていることは、意志の強さではなく選び方の癖でした。
本屋の棚は出版社の都合で分かれています。読む側の都合で分け直すと、だいたい五つになりました。物語、記録、考えかた、日常、絵。この五冊で日本の本のほとんどが説明できます。
言文一致から現代の芥川賞まで。読む順番に迷ったときの、いちばん外れの少ない道筋を引きました。純文学と大衆文学の線引きについても書いています。
評伝、ルポルタージュ、記録文学、紀行。小説より遠くまで行ける本があります。事実に取材した本の五つの型と、その見分け方。
思想も歴史も社会科学も、入口はほとんど新書です。岩波新書が一九三八年に何を始めたのか、そしてどのレーベルから入るのがいいのか。
『枕草子』から現代のエッセイまで、日本語がいちばん長く続けてきたかたち。何も起きない文章を面白く読むための、ごく実際的な手引き。
掲載誌が読者層を決め、読者層が絵柄を決めてきました。単行本、文庫版、完全版、愛蔵版の違いと、どれを買えば後悔しないか。
五冊をまとめて見渡す一枚。どの巻から読むべきか、そしてどの棚にも収まらない本をどう扱うか。
日本の本は再販売価格維持制度のもとで売られているので、新刊はどこで買っても同じ値段です。だから店選びの基準は値段ではなく、在庫と、速さと、棚をつくっている人の顔になります。
大型書店、独立系の小さな店、古書店と神保町、ネット書店、電子書店、そして無料で読める青空文庫と図書館。それぞれが本当に得意なことと、正直に苦手なことを並べました。
翻訳者、海外の版元、助成のしくみ。日本語で書かれた本がどんな手続きを経て別の言語の棚に並ぶのか。日本語で読む側にとっても、自分の本棚の見え方が変わる話です。
好きな本ができると、内容だけでなく物としての本が気になり始めます。奥付の刷数、糸かがりか無線綴じか、函があるかないか。そこから先は、少しだけ知識が要ります。
奥付のどこを見れば刷数が分かるのか。版と刷は何が違うのか。そして、初版であることが本当に値段になる本と、ならない本の境目はどこにあるのか。
個人全集、選集、特装版、函入り。長く持つことを前提にした版はどこが違うのか。中性紙と糸かがり綴じという、寿命を決める二つの条件から説明します。